この記事では和音がわからない?和音とは何かを、簡単にピアノやギター別に説明します。
ピアノやギターなどの楽器を演奏する際必ず出てくる言葉が和音(わおん)です。
和音ってなんだろう?どんな意味があるのかな?
今回は和音の意味から表現方法、学び方まで解説していきます。簡単にピアノやギター別に説明していますので是非に参考にしてください!
和音とは?
和音とは何なのでしょうか?意味や役割、そしてどのようにして和音ができたのか、解説していきます。
和音の意味は?
「和音」とは、2つ以上の音を同時に響かせている状態のこといいます。
白い鍵盤【ドレミファソラシ】の7音と、黒い鍵盤5音の合計12音の中から、さまざまな音を組み合わせた音が和音です。
ギターではよく【コード】という言い方をするね!
そうだね!ちなみに、上の画像の赤文字が【コード】、青文字が【音名】、黒い文字が【度数】を表しているよ。あとで詳しく解説していくから、ここでは「そういったものがあるんだ」という程度で大丈夫だよ。ちなみにこのコードはCメジャースケールを基準として書いているよ。
いろんな音の読み方があるね。この音を組み合わせた和音ってどんな音色なの?
イメージしやすいので言うと、みんなが学校で一度は聞いたことある「起立、礼」の音も和音なんだよ!
1つの音がいくつも重なり、さまざまな音色を生み出します。これらは、それぞれ特有の雰囲気を持ち、曲や演奏に彩りを与えます。
和音の役割は?
和音が持つ最大の役割は、音楽に想像と感情をもたらすことです。一つの音だけでは表現できないことを、和音は可能にします。さらに、和音は曲の進行や音の流れ、強弱、そしてリズム感を左右します。
和音は曲の雰囲気を作るのに、とても重要な役割を果たしているんだよ。
和音の組み合わせによって、歌詞の内容や曲の感情、あるいは特定のシーンや映像を想像させます。また、曲に変化を付けたいとき、それまでとは違う和音を付けることで、一番伝えたい感情や歌詞を表すことができます。
和音の歴史
和音の起源はクラシック音楽の始まりでもあり、8世紀頃の中世ヨーロッパでは、1つの音で作られる単音で、主に宗教の礼拝で歌われる、グレゴリオ聖歌が主流でした。そこから複数の声部が表れ、さまざまな音を重ねる和音が誕生しました。
15世紀から18世紀頃になると、音楽を作る「作曲家」が現れ、その曲を伝える楽譜も一般的になり、楽器の種類も増えて、和音はますます複雑で豊かなものになります。
ピアノができたのも、この頃(1709年)なんだよ。
参考≫ピアノの歴史
19世紀から20世紀には感情が豊かに表現されているロマン派音楽や、情景や風情を重んじる印象派音楽などで革新的な和音の使用が見られました。
この頃になると、感情や風情といった、今の音楽にも取り入れられている和音があるんだね!
今日では、ジャズ、ポップス、ロックなどの音楽にも和音は欠かせない要素となっており、幅広い音楽ジャンルでその重要性が引き継がれています。
和音の基本とは?
和音にはさまざまな種類があり、それぞれ違った特性や役割があります。その中でも特に重要で基本的な「協和音と不協和音」、「三和音と四和音」、「転回形と基本形」について解説していきます。
協和音と不協和音
和音の基本のひとつ、「協和音」と「不協和音」についてみていきましょう。
- 穏やかで聞き心地が良い和音。
- 音のバランスがきれいに取れていてうまくハモリになっている状態。
- 曲全体を引き立て、情景を作り出す音。
- 聞いていて違和感を感じる和音。
- 音のバランスが悪く、一見すると調和していないように感じる。
- 曲に変化を付けるために、緊張感を持たせたり、悲しい雰囲気を付けるなど、曲に変化を付けるときに使う音。
協和音と不協和音の組み合わせて、曲に想像力が広がります。情景や雰囲気を付けることで、聞き手に伝わりやすい曲を作ることができます。
これらの和音の組み合わせによって曲の印象も大きく変わるから、どのように融合させるかが重要なんだよ。
三和音と四和音
協和音と不協和音で、曲の印象を付けることがわかりました。では、実際に【ドレミファソラシ】を使って、和音を組み合わせていきましょう。最も基本的な和音は3つの音を合わせた三和音(さんわおん)です。
「三和音」とは、一つの基本音(根音:こんおん)から始まり、その上に音程を積み重ねて作られる3つの音で構成される和音のことです。ピアノで言う短三度または長三度、完全五度の音が重なることにより作られます。
短三度(たんさんど)、長三度(ちょうさんど)、完全五度(かんぜんごど)については、後ほど詳しく解説していきます!
四和音(よんわおん)は、この三和音に更に一つの音を加えた4つの音で構成される和音です。
根音から7番目の音を加えることが多いので、通称「セブンスコード」と呼ばれています。
三和音に比べて音に深みがあるし、いろんな響きがあるね。
四和音のほうが音の安定や不安定さが増して感情を表現しやすくなるんだ。音楽を作るうえで基本的なことになるから、しっかりと理解しよう!
転回形と基本
三和音や四和音で和音を組み合わせた際、根音から音が高くなっていくのが基本です。このことを【基本形】といいます。和音の基本形の根音の高さを変えることを【転回形】といいます。
「転回形」はこの基本形で使われている3つの音の順番が入れ替わっていることをいいます。
【ドミソ】、【ミソド】、【ソドミ】どれも同じ【ド】【ミ】【ソ】を使っているけど、音の高さを変えて弾いていることを転回形というんだね!
この2つの形状を適切に使い分けることで、和音の表現力を高め、より洗練された音楽表現を可能にします。
四和音(=セブンスコード)の転回形の場合は、第二転回形までは三和音と一緒ですが、音が一つ増えているため、第三転回形も存在します。この第三転回形では、基本形で一番高い音を、一番低い音に変えています。
例えば、基本音が【ドミソシ】の場合、第三転回形では、一番高い音の【シ】が一番低くなって【シドミソ】に転回するんだ。
和音の理論と作り方
和音の基本を理解したうえで、その和音がどのようにして作られているか、どのような影響を与えているか、解説していきます。
主要三和音と副三和音
和音は単音を組み合わせることで成り立っていますが、その組み合わせ方にはいくつかの原則があります。基本でも触れた三和音について、さらに詳しく解説していきましょう。
三和音は【主要三和音】と【副三和音】の2種類に分けることができます。
主要三和音(しゅようさんわおん)はスリーコードともいうよ。
聞いたことある!でもどんな意味なんだろう?
主要三和音とは度数でいうと【1度】【4度】【5度】の使用頻度の高い和音のことで、曲の大半に使われている三和音のことです。それ以外の和音を副三和音といいます。
起立、礼の和音も「1度→5度→1度」になっているよ。これがもし「1度→5度」で終わったらどうかな?
締まりがなくて、スッキリしないです。
そうだね。なんだかもどかしいよね。最後に「1度」を付けることによってスッキリと終わることができるんだよ!
確かに終わった感じかして気持ちいいです!
ちなみに、度数の表記はわかりやすく説明するために数字で表しているけど、音楽ではローマ数字で書くことが多いんだ。「1 2 3 4 5 6 7 8=Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ Ⅵ Ⅶ Ⅷ」と表します。
Ⅰ(1度)で曲全般の背景を作り、Ⅳ(4度)で若干の変化を付け、Ⅴ(5度)で強い変化を付けた後、またⅠに戻り音を着地させることで、スッキリと曲を終わらせることができます。
動画の6:50のところの、ハッピーバースデーの曲を聞いてみましょう!
Ⅳを使用すると、より曲のメッセージ性が強くなるね!
和音の中でも、特に主要三和音を使うことで、曲の雰囲気を作りやすくします。音の違いだけでなく、リズムの違いや詞を加えることによって、より感性や想像力をつけることができます。
音程と和音 ピアノ編
和音を理解するには、音程を理解することが大切です。音程とは、2つの音の高さの差のことをいいます。主に長3度や完全5度といった言い方をしますが、なぜこのような言い方をするのでしょうか?まずはピアノの音程と和音についてみていきましょう。
例えば【ドミ】の音は2つあります。ひとつは先程の【ドミ】もうひとつは【ドミ♭】です。【ミ♭】は白い鍵盤の【レ】と【ミ】の間にある黒い鍵盤です。根音の【ド】から半音ずつ数えてみて、どちらの【ミ】が近いかな?
【ミ♭】のほうが近いです。
そうだね!初めの音の【ド】から近い【ドミ♭】が短3度、遠い音の【ドミ】が長3度だね!
和音を学ぶ際に避けて通れないのが度数です。長3度と短3度の違いなどををしっかりと理解しましょう。
音程と和音 ギター編
次に、ギターでの音程と和音をみていきましょう。ギターでは指でコードを押さえ、【ドレミファソラシド】のような音色を鳴らします。そのため、コードや和音を覚えるためにスケールを理解しておきましょう。
ギターではピアノの音名に聞こえる音程のことをスケールといいます。それぞれの段階から作られる和音が、その曲の雰囲気を作り出します。
音階は12種類あり、音を一つ飛ばしに弾く全音、音を半音飛ばしに弾く半音と2種類あります。【ドレミファソラシド】に聞こえる音階は、【全 全 半 全 全 全 半】となっており、この順番で【ドレミファソラシド】と聞こえるスケールをメジャースケールといいます。
ピアノの【ドレミファソラシド】にあたるスケールはCメジャースケールになるんだね!
先程の音階から6番目(ラ=Aコード)から【ドレミファソラシド】を弾こうとすると【全 半 全 全 半 全 全】になります。この並びをマイナーコードといいます。
例えば、Cのメジャーコードを【全 半 全 全 半 全 全】の並びで弾くと、Cのマイナーコードに変化します!
ここで、一番上の画像をもう一度みてみましょう。
なるほど!【レ】から始まる【ドレミファソラシド】に聞こえる音もメジャースケールってことなんだね!【レ】の上には【D】って書いてるからDメジャースケールってこと?
その通り!そして、このスケールを使って作る和音のことを、ダイアトニックコードというんだよ。
和音は、そのスケールに基づいてコード進行を作り、メロディーやハーモニーを構築していきます。
参考≫メジャー・マイナー(ナチュラル・ハーモニック・メロディック)別の早見表
和音の正しい弾き方
普段から意識的に音階や指使いを正しく行うことで、和音も自然と美しく演奏できるようになります。幅広い音楽ジャンルで活用されるピアノとギターの和音の弾き方、そして和音を美しく響かせる秘訣について解説していきます。
ピアノでの和音の弾き方
ピアノを買ったのはいいものの、その他の道具を適当にそろえたり、姿勢が悪いと美しい音色を弾くことができません。まずは、ピアノを弾くときの正しい姿勢をみていきましょう。
背筋を伸ばし、腕は軽く曲げられる位置に椅子を調節します。高さがあっていないと手首を痛めてしまう場合があるので、始める前にきちんと調節しましょう。
美しさは姿勢から!技術があるプロのピアニストが、せっかくきれいなドレスを着ているのに猫背で演奏していたらがっかりしちゃうもんね。
正しい姿勢を身につけたあとは、いよいよピアノを弾いてみましょう。適度な力加減で鍵盤を押し込みます。
僕はピアノを始めたばかりのとき、緊張しちゃってつい力が入ってしまい、急に大きな音が出てびっくりしたことがあるよ。
鍵盤に指を優しく添えて、ハンコを押す感覚で鍵盤を押します。1音ずつ押して感覚をつかむことで力加減が自然と身に付き、和音を弾いたときに指がキレイにそろった状態で弾くことができます。
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ギターでの和音の弾き方
まずギターを弾く前に、正確なチューニングが必要です。調子の合ったギターでなければ、どれだけ上手に弾いても和音の美しい響きは出ません。
チューニングを行う際、正しいコードを鳴らしているか目視で確かめられるチューナーという道具を使って調節していきます。ペダルチューナーやカード型チューナーとさまざまな種類がありますが、始めたばかりのときは、手軽で安価なクリップ型チューナーをおすすめします。
ピックを持ち弦を鳴らすストロークの方法も大切です。弦を一定の流れで弾くためには、ピックを正しく持ち、弦と平行にスライドさせるようにしましょう。これにより、和音は一層美しい音色で鳴らすことができます。
ギターは始めたばかりの頃が一番大変なんだよね。私も何度も挫折しそうになったよ。まずは何も考えずにストロークの方法だけ練習したり、指を押さえる数が少ない簡単なコードから練習すると、楽しく弾くことができるよ!
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和音を美しく響かせる秘訣
和音を美しく響かせるためには、「感情を込めて弾く」ことが大切です。
歌をうたうときも、棒読みだとつまらないよね。楽器も一緒で、音の高さや強弱を付けることによって感情を表現することができるよ!
ある程度のテクニックが身についたら、心地よく思える強弱やトーンを模索し、自分だけの和音の響きを作り出すことが求められます。和音をコードと捉えるだけでなく、複数の旋律が重なり合うと捉えることで、より豊かな音楽表現が可能になります。
和音による表現力
和音による表現力はどういったものがあるのでしょうか?解説していきましょう!
和音を使った楽曲解析
和音を楽曲解析に活用することで、その曲の性格をより深く理解することが可能です。アナリーゼともいいます。
その曲がどういったイメージで、どのようにして作られているか、音の組み合わせや、伝えたい感情は何なのか、詳しく分析することで、より表現力を付けて演奏することができます。
和音の組み合わせや配置により、曲全体の雰囲気や感情をつくり、聞き手に響くメッセージを伝えています。
明るく優しいイメージのメジャーコードや、悲しい、哀愁に満ちたイメージのマイナーコードと、和音そのものに感情を想像させる音色があるね!
和音の種類や配置を見ることで、楽曲の背後にある感情を推察することができます。
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和音の応用例
和音は、ピアノやギターなどの楽器で一度に複数の音を奏でることが可能な楽器でよく使われます。ピアノであれば、左手で和音を形成し、右手でメロディを奏でることで、より豊かな音色を生み出すことができます。
まずは、左右違う手の動きになれるために、簡単な和音を両手で弾けるようになりましょう!
最初はかなり違和感があると思いますが、日々練習を行うことで慣れていきます。
最初は右手だけ、次に左手だけ。という風に、片手ずつ弾いてみてから両手でチャレンジしてみるのもおすすめです!
また、ギターでは和音の指板上での配置を覚えることで、さまざまな和音を瞬時に奏でることが可能になります。和音の知識を応用することで、単音での演奏だけでは表現できない、深みや広がりを持った表現を作ることができます。
和音の中でも特に基本的なコードで練習してみましょう。持ち方や指の位置を確認しながら、少しずつ習得していきましょう!
感情表現と和音の関係
和音は、感情表現の強力なツールです。協和音や不協和音にのせた三和音や四和音を組み合わせて音の強弱や高さを変えることにより、より感情的に、心に響く音楽を奏でることができます。
単体の音では表現しきれない複雑な感情を、わかりやすく音色にのせたものが和音ともいえるね!
さまざまな和音を熟知し、それぞれの感情表現に対応する和音を選択することで、自分の感情を音楽で表す際の幅を広げることができます。
和音の活用方法
引き立て役や裏方のような存在ながらも、和音があることによって初めてメロディーが際立ち、豊かな感情表現が可能になります。ここでは、和音の活用方法を解説していきます。
コード進行の作り方
和音そのものに、感情が表現されていることがわかりました。では、適当にコードを鳴らしていれば自分の表現したい音楽ができるのでしょうか?
答えはNOです!コードの作り方には決まった進行方法があり、その方法に基づいて作曲しています。この進行方法を【コード進行】といいます。
では、その決まった進行方法とはどんなものなのでしょうか。
主要なコード進行にはⅠ、Ⅳ、Ⅴを使用した主要三和音を組み合わせて作ことが最も基本です。曲を作るうえで土台となるもので、筋の通った美しいメロディーを保つことができるのです。
また、曲の区切りごとにコード進行を変えることで、聞き手に新たな感情や雰囲気を提供することもできます。
曲の構成やテーマにより具体的な感情変化を与え、聞き手を飽きさせない工夫です。ひとつの進行の中にもコードの順番を変えて変化をつけることで、より情景や感情が伝わりやすくなります!
むやみにコードを変化するのではなく、メロディーとの調和を保つことが大切だね!
独特な和音の使い方
和音には様々な種類があり、それぞれに特徴のある効果を発揮します。メジャーコードや、マイナーコードの他にも、ディミニッシュコードやオーギュメントコードなどを使うことで、独特な雰囲気や効果を表現することも可能です。
メジャーコードやマイナーコードとは違う、印象的な音が特徴です。あまり聞きなじみが無いようにも思えますが、以外とポップスによく使われているコードです。
使う場所によってとても切なく聞こえたり、曲の盛り上がりを助けるような高揚感があるようにも聞こえる、独特な音です。
ディミニッシュコードと同じくらい特徴的な音色のオーギュメントコードもみていきましょう。
三和音のⅤを半音上げて長三度の音になるオーギュメントは、単体で聞くとあまりスッキリしない、バランスの悪い音に聞こえますが、あえてコード進行に入れることで不安定さが増し、より悲観的な感情を印象付けます。
和音を使う際には、種類だけでなく、配置する位置やタイミングも重要な要素となります。配列やリズム、タイミングによっても音楽の印象は大きく変わります。
どのコードをどこで使うかによって、曲全体の印象や感情の流れを引き立てることができるんだね!
和音の選び方
和音を選ぶ際には、まず目指す音楽のスタイルや、表現したい感情を明確にすることが重要です。
優しい、疾走感がある、悲しい雰囲気など、自分の作りたい曲の情景を明確にしよう!
メジャーとマイナーの基本的な和音を使用し、さまざまな組み合わせを用いて選択します。
より複雑に感情的に作りたければ、ディミニッシュやオーギュメントを曲のポイントに使い、個性的な雰囲気を演出することもできるね!
配置する位置やタイミング、鳴らす音の長さや強さなどによっても、出てくる和音の印象が変化します。それぞれの和音がもつ「音色」を理解することで、ただの和音から表現豊かな和音へと変化させることができます。
和音を使った演奏テクニック
和音は、さまざまなコードを組み合わせて聞き手に情景や感情を伝えるために活用し、曲を作り上げます。では、その作った曲を演奏する際、どのようなテクニックが必要なのでしょうか?解説していきましょう。
フレーズ作成の助け
和音はフレーズを作る際にも重要なツールです。フレーズとは、文章で言うところの「、」歌で言うと息継ぎの部分になります。
きらきら星で例えてみましょう。まず歌うときに「きーらーきーらーひーかーるー(息継ぎ)よーぞーらーのーほーしーよー(息継ぎ)」と歌うよね。この息継ぎまでのメロディーをフレーズというよ!
和音の組み合わせやフレーズの中に音の強弱や長さを変えることにより、情景の変化やリズムやの変化を生み出すこともできます。和音の選択と配置の工夫によって、独特なフレーズを作り出すことができるのです。
和声の技巧
和声は、和音を用いた演奏テクニックに欠かせません。和声とは、和音の配置の組み合わせや、演奏をするパートの手引きを意味します。和声の規則に従って音を組み合わせることで、音楽にリズムやメロディとは異なる別の側面が生まれます。
英語で「ハーモニー」と呼ばれているよ。
和音の転回形や、スケール、度数などさまざまなパターンを使用し、音を組み合わせることでいろんな種類の和音が生まれるんだよ!
また、和音を豊かに鳴らすための技術的な側面も含まれています。これらは学習と練習を重ねることで、自身の表現力を高めることができます。
和音を利用した即興演奏
和音は即興演奏にも用いることができます。メロディの幅を広げ、音色を豊かにするだけでなく、和音は即興的な表現の可能性を広げます。
演奏で使われているキーを見つけましょう。キーがわかったらそのスケールのなかで音を合わせます。
目視で確認したり、演奏している相手に聞いてみるのが一番だね!
安定感のあるコード進行を背景に、自由にメロディを紡ぐことができます。また、和音を元にしたリズムの変化は、聞き手と演奏者のつながりを強くします。
和音学習のコツ
和音を学ぶ上で大切な事は理論と実践の両方に取り組むことです。ただ和音の形を弾けるだけではなく、その和音がなぜそうなったのか、理論を理解すれば、自分で和音を組み立てる力が身につきます。
では、どのように学習していけばよいのか解説していきます。
音楽理論を覚える
和音の学習において、音楽理論の理解は不可欠です。和音とは、単に複数の音を一度に鳴らすだけではありません。それぞれの音がどのような役割を持ち、その和音全体がどのような働きをするのかという理論的な背景を理解すれば、音の組み合わせを自在に操ることが可能になります。
長調(メジャー)と短調(マイナー)の違い、主要三和音と副三和音の役割などの知識を身につけましょう。
音楽理論を学ぶことにより、自分が弾きたい曲を自由に演奏できるようになり、より深い音楽体験が可能になります。
実践を通じた和音の理解
次に、和音学習では実際に楽器を演奏する実践が重要です。和音の形状を覚えただけでは、音楽が持つ響きや雰囲気を掴むことは難しいです。
学ぶだけでなく、実践してみましょう!ピアノで実際に和音を弾いてみたり、スケールを見ながらギターを弾いてみると、学習した内容を体感できるのでより理解ができるようになります。
クラシック音楽を見に行ったり、バンドのライブを見に行って技術を真似してみるのもおすすめだよ!
また、自分で和音を組み立ててみることで、理論的知識が実際の音にどのように反映するのかを体験することができます。このように、実践を通じて和音を理解することで、音楽の豊かさを感じることができます。
和音の学習法と練習法
和音の学習は理論と実践の組み合わせが最も効果的です。まず、音楽理論を学んで和音の基本的な形状や構造を理解しましょう。次に、楽器を使ってそれを弾いてみて、音の響きを肌で感じてみましょう。
基本的な実践ができるようになったら、和音を転回してみたり、コードを変更して演奏してみましょう!応用してみることで、異なる感触や響きを経験できます。
また、自分で和音を組み立ててみることで、理論だけでなく実際の音の鳴らし方についても理解を深めることができます。こうした練習を繰り返すことで、和音を自在に操る技術が身についていくでしょう。
和音の奥深さを理解する
音楽の世界において和音は、鮮やかに光を放つ一つの宝石のような存在です。単一の音を組み合わせて一つの美しい音色を紡ぎだすその技術は数多くの伝統を塗り替え、音楽表現の幅を無限に広げてきました。
和音を楽しむことの重要性
和音の魅力を楽しむことは、音楽をより深く理解し、それぞれの音の役割や組み合わせが生む和声(ハーモニー)を感じることにつながります。
1つの音のメロディーを引き立てる、音楽の土台のような役割が和音なんだね!
長調(メジャー)や短調(マイナー)、転回形やコードの変更を使って和音を組み合わせることにより、和音を組み合わせることができます。さらに、ディミニッシュコードやオーギュメントコードなど、より複雑で感情的な和音を使うことにより、音楽の世界観を広げ、新たな感動を得るための重要なステップとなります。
和音を学び続ける
和音の学習は、単にそれを理解するだけでは意味がありません。
コード進行で90年代に使われていた「小室進行」や近年よく使用されている「Just The Two Of Us進行」など、時代によってコード進行が変わっていくんだ。そのたびにどんなコード進行方法なのか、学んでいかないといけないんだよ。
音楽理論を理解したから勉強しなくていいわけじゃないんだね。
参考≫『just the Two of Us進行(丸の内進行)』の仕組みと使い方
一つひとつの和音を覚え、それぞれの役割と響きを理解することで、自分だけの音楽を作る力が身につきます。和音の知識を深めることは、より豊かな音楽表現へとつながります。
音楽における和音の位置付け
音楽において和音の役割は非常に大きいものがあります。音楽の奥行きや立体感を作り出す重要な要素で、一つの音だけでは表現できない豊かな音色や情景を作り出すことができます。
1つのメロディーに想像や情景、感情をより豊かに表現するのが和音だね!目立たない存在だけど、大事な役割を果たしているんだよ!
また、和音は一つ一つの音の関係性を示し、音楽の進行やストーリーを生んでいきます。音楽の魅力を引き立て、聴く人々に感動を与える力を持つのが和音なのです。
和音やコードについて、もっと詳しく知りたい方はプロに教えてもらうのが近道です。大抵の音楽教室で体験レッスンをしているので、まずは気軽に参加してみるのがおすすめです。
スクールによって特徴があり、中には講師全員がプロのミュージシャンの「オトノミチシルベ」というスクールもあります。それぞれの音楽教室に詳しい記事があるので、参考にしてください。